この会議室もスタート当時はこのフォーラムらしくない活発さでしたが、最近は
ようやく「桃源郷」ペースになってきましたね。ま、ゆっくりでもいいでしょう。
でもひと月も音沙汰がないとフォーラムごと廃止などという話が聞こえてきそうで
すので、皆様よろしくお願いします。
この会議室でも話題にのぼっていたフィリピンでの腎臓移植の話題が、テレビニ
ュースに登場しました。
それらによりますと、岐阜の日本健康協会の腎臓移植研究室というところが腎臓
病患者に1000人に対してチラシを送るなどしてフィリピンでの腎臓移植を2000万円
の費用で紹介し、既に手術を受けた人もいるということです。国内では腎臓移植は
善意に基づき行われており厚生省の許可が必要ですが、この行為は国外では違法と
はならないのだそうです。
厚生省などの見解は、「昨年秋にもフィリピンでの腎臓売買を斡旋しているとい
う噂があったが、事実関係は確認できなかった。この様な行為は国外のことなので
違法とはならないが、円高を利用して腎臓を買いあさるようなことは道義的には好
ましくない」というものです。
当の腎臓移植研究室の伏見代表は、「斡旋でなく、フィリピンの医療機関を紹介
しただけで、脳死の人の腎臓を用いている。売買は行っていない」と述べています。
この話題は現在の移植医療の問題だけでなく、「善意」を頼りとする日本の腎バ
ンクや献血体制のありかた、南北の経済格差の影響などがからんでいるため複雑に
なっています。
この中でひとつ気になったのは、マスコミの論調がこの「斡旋」をいわば悪徳商
法のように批判していることです。見方によってはこのビジネスはお金はかかるに
しろ、腎臓移植を受けたくても受けられない人には救いになるかもしれません。自
分が腎不全の患者さんの立場になった時のことを仮定すると、短絡的に批判するの
もちょっと引っかかる気がしないでもないのですが。「善意」に支えられて海外で
肝臓移植を受けるのは美談として報道されますが、私はこのような手法は先に述べ
ました「特例優遇」の問題があって賛成できません。もし売買が事実でなければ、
このようなビジネスの方がすっきりしていて望ましいと思います。
もうひとつ、売買が事実としても、日本は豊かな国ですから「善意が基本」など
と言っていられるのでしょうが、もし我々がマニラのスラムに住んでいたとして、
20人の飢えた家族を抱えていたらどうでしょう。腎臓を片方売れば妹が「ジャパ
ゆきさん」となって日本に売られて行かずにすむなら、腎臓を喜んで売ると言う人
もいるのではないでしょうか。「腎臓を買いあさるのは道義的に云々」という前に、
女性を買いあさっている現実をどうにかすべきだと思います。少し話がそれました
が、世界的な視野で先進国と発展途上国との医療の格差を考えると、この程度のこ
とがはたして問題なのかという気がします。
文章が稚拙なため真意が伝わったかどうか自信がありませんが、みなさんのご意
見はいかがでしょう。