002/078   PAG01172  山野辺裕二(CRES)  総論)医学ジャーナリズムの功罪
       87/12/01 07:23                   コメント数:1

  私のような未熟者ではとても基調講演とはいきませんが最初ですので一言。

マスメディアの報道が医学の進歩や個人や社会の健康にどのような影響を及ぼすのか。
その影響の大きさには誰もがある程度は気づいているとは思いますが、マスコミを積
極的に医学の啓蒙や健康の増進に利用しようする動きはあまり見られません(自己の
利益のために利用しようとする例はあるかもしれませんが)。
  医学ジャーナリズムにはいろいろと功罪があります。天皇陛下の手術にまつわるマ
スコミの取材攻勢は医師団の非常な迷惑であったことを、陛下の執刀医はその手記の
中で糾弾しています。また、ATL(成人T細胞白血病)ウィルスの献血時のチェッ
ク態勢がエイズのそれに遅れをとったのは、マスコミのエイズに偏った過熱報道のお
かげとも考えられ、これらは「罪」にあたります。
  一方、三重大学病院に端を発したB型肝炎の医療従事者への感染問題は、その後の
マスコミによるしつこいほどの事件の掘り起こしにより、はからずも政府の感染予防
対策は前進しつつあると思います。これは「功」の部分です。
  この「功」の部分を大きくして「罪」の部分を小さくするにはどうすればよいか。
皆さんのご意見をお寄せください。

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