さらば98

山野辺 裕二

私は1981年に初めて自分のコンピュータを持って以来、久々の大きな環境の変 更をこの冬に決断しました。NECのPC-9801シリーズのパソコンとの決別です。

実はこの「98からの決別」は1984年に一度実行したことがあります。そのとき 購入したシャープのMZ-5500というコンピュータは、まさに90年代を先取りする ものでしたが、3年後には私は98系の機械を再び購入する羽目となりました。1990 年、私と一緒にMZを購入した友人は置く場所がないと言って、80万はしたであ ろうその機械を私にただでくれたのでした。私の実家の物置には仲良く2台のMZ が骨董品としての余生を送っています。

今回「脱98」を決断したのは、皮肉にもMacintoshに原因がありました。私は88 年以来、ほとんどの仕事をMacintoshで行なうようになっていたのですが、高 機能のデータベースとワープロだけが98からの離脱を果たせないでいました。Macintosh 用の高機能データベースは定価20万円以上、安売りの通販業者でも15万は下り ません。しかし最近の雑誌の広告を見ると、Windowsという環境で動く同程度以 上の機能をもつソフトが15,000円の値をつけているのです。この価格差は、Macintosh よりWindowsマシンの方が10倍程度多いことと、その分野でのソフトウェア会 社同士の競争の差によります。どうやら今後はグラフィックスなど特殊な分野を 除いた一般的な分野では、価格や性能の面でMacintoshのソフトはWindowsのソフ トに太刀打ちできなくなりそうです。

もう、私は我慢できなくなりました。私は15,000円のデータベースを皮切りに 、事務系のソフトウェアをWindowsに移行することにしました。そのためには今 持っている88年製の98系コンピュータは力不足です。新しい98を買えばいいので すが、世界標準のIBM系の方がずっと安く手に入ります。私はデルコンピュータ という会社に新しい機械を注文し、55,000円でワープロ、表計算、データベース のソフトを買ってきました。Macintosh用なら30万円してもおかしくありません 。そして数々のそこそこ使える98用ソフトウェアとともに、今の98系の機械をお 蔵入りにすることにしました。

そこで私の98系のコンピュータは譲ってしまいました。 機器構成は以下のとおりです。
 

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